2児のママだけど、転職してみました。

都内にすむ2児のワーキングマザーです。ワーママ、転職、日々の発見等

ママがスタートアップに転職することを選択肢にいれてほしい理由。

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はじめに

 こんにちは。6000人規模の大企業から、少人数のスタートアップに出産後転職したワーママです。転職先の候補として、スタートアップ、事業的に面白そうだけれど、なんだかつぶれそう、ベンチャーってブラックなんじゃ、給料とかどうなの、と不安になっている人も多いと思います。思い切って飛び込んだ私からみたスタートアップでママが働くことの魅力をお伝えできればと思います。

 

 

そもそもスタートアップって何?

 スタートアップとは、新しい価値を世の中に発信しようとしている企業で、新しいが故にまだあまりうまく収益モデルができていない企業のことを指します。社長1人という企業から、数十人程度の社員がいる企業が多く、設立数年という企業体がほとんどです。基本的には、VCからの投資を受けて会社の運営はされており、どのようなVCからいくら調達しているのか?がスタートアップを評価する一つの指標と言えるかと思います。そもそも、まだ投資すら得ることができないスタートアップも多いです。

 

スタートアップでの働き方

 スタートアップでの働き方といっても、通常の日本企業とあまり変わりません。最新の働き方で、リモートワーク多用しているからママに向いている!と思う人もいるかもしれませんが、まだビジネスモデルが確立していないので、意外ですが顔を合わせてミーティングすることを重視する傾向が高いように感じます。そのため、何か理由がない限りは出社して、普通に働くスタイルを好む会社が多い印象です。

 また、勤務時間もしっかりと決まっているという会社が多いです。ただ、それもなんとなく決めたから、という理由なので、何か理由があれば、相談してくれたらある程度自由にしてもいいよ〜というスタンスの会社が多いので、融通は聞きやすいのは事実かと思います。

 決してスタートアップだから、ベンチャーだから、働き方は自由〜!という訳ではないので、その点は注意して行く事が必要となります。

 

なんでスタートアップだったのか

 転職活動をする前はまったく、スタートアップ視野になかったのですが、とあるエージェントに相談にいったら、時短勤務希望であればこんな求人ですかね・・・、と出されたのが、すべて契約社員でした。私は、学歴もそこそこあり、正社員総合職で働いていて、近い待遇での転職を希望していました。エージェントも非常に申し訳なさそうに、正社員では残業なし、もしくは、時短というだけで、条件が難しいですとの回答。ただ・・といって提示されたのは、いくつかのベンチャー企業の求人でした。ベンチャーであれば、ある程度融通も聞くし、ママの転職事例もあるので問題ないかと思います、とのことでした。(補足すると、私の経験職種が理系専門職で、業界的に残業があるのが一般的でした。そのため、残業しないもしくは時短とした瞬間に、正社員求人がなくなりました)

 私がママであっても、汎用的なスキル(人事や経理、営業等)の経験があったり、リクルートや商社出身のようなネームバリューがあれば、比較的好条件で、企業規模は変えずに転職ができたかもしれません。

 この面談の後、大手企業そして、今までの職種をすっぱりとあきらめ、ベンチャーあるいはスタートアップに絞った就職活動に切り替えました。定時が短いフルタイムの企業や外資企業を視野にいれてもよかったのですが、気持ち的に「大手企業疲れた」という気持ちが強かったので、見ない事にしました。

転職活動で感じたこと

 転職活動には主にwantedlyを使いました。

www.wantedly.com

wantedlyは、「話を聞きにいく」という面接よりも、ややカジュアルな面談申し込みが出来るのですが、大抵が面談までは進むことが出来たように感じます。いくつかの選考をうけましたが、ママだからというのは、そこまで大きな阻害要因ではありませんでした。

 また、今の会社に入って採用側にもなってみて思うのは、スタートアップの採用基準は、①その人自身の魅力②事業への共感③既存メンバーとの相性を重視して、採用をしていると思います。いずれも高ければ、ママであることはそこまでマイナスではない、という評価になります。よく面接であるという噂の子供が熱でたらどうします?とかそういう質問はあまりなかったですね。今の会社では、内定後に調整をしていきました。

 スタートアップは状況が常に変わるので、①②③すべてよくても、今だと任せられる業務がないという点で断るケースもあります。その場合は、言い方が悪いですが、キープとなり、フェーズ拡大の時に再度声をかけてもらう、というプロセスになります(実際に受けた会社で1社この形での通知がありました、今の会社でも、何名かこの形を出しています。)

スタートアップで働く利点

 企業で時短や残業なしで働いている人の多くが、マミートラックにはまっていることが多いのではないでしょうか。産前よりも仕事レベルが落ちた気がする、出世レールから外れた、時短は不本意だけどフルタイムの残業リスクが怖い、かといって、ベビーシッター駆使して仕事に100%も振り切れない。わがままといえば、そうなんですが、女性は、キャリアにたいしてわがままだと思います。どちらかというと、そんなわがままの女性の方がスタートアップが向いていると思います。時短だ、ラッキー!ゆるーくながーく働くー子供が幼稚園に入ったらやめても良いかなーという女性にはスタートアップは向いてないように思います。

 

①コミュニケーションコストがかからないため、非常に効率的に働ける

 大企業で働いていた私からすると、コミュニケーションコストの少なさに驚きます。誰かに頼むために、席を移動しなくてもよいです。チャットで完結します。無意味なミーティングは少ないです。報告やちょっとした議論もチャットで完結します。何か提案がある際、社内説明用の資料をパワーポイント等で作ることもなく、チャットで完結します。無駄に部長をまわって判子をもらったり、自分の話を通すために上司に事前に根回ししたり、そんなことも必要ありません。普通に社長もしくは、上司と会話すれば問題ありません。

 時短勤務である程度努力して働いた経験のある女性であれば、スタートアップでの6時間は、大企業の8時間〜10時間労働くらいに相当する感覚になると思います。そして、無駄に女性やママだから効率よく・・・なんて求められることは少ないです。むしろ、ほとんど、多くの社員が効率性を重視し、如何に無駄を省き仕組みかするかを重視しつつ、働いています。(エンジニアとか如何に楽するかを考えないといいシステムできないですから、その点は心地よさすら感じます)

 

②多様性のある文化。邪魔なおっさんはいない。

 スタートアップは転職してきた人が多いため、多くの企業にいる長年居座って古い価値観をさらけ出し、さらに権力があるようなおっさんはいません。子育てに理解を示しているようで、ほぼ奥さんに丸投げしたから実態のわからず、とんちんかんな事を言ってくる上司もいません。(面談でイライラした経験のある女性も多いでしょう)

 会社設立が若ければ若いほど、学生社員やインターン、業務委託、副業など、雇用形態も様々な傾向があり、非常に多様性に溢れています。エンジニアであれば、海外の方も多く見られます。フルタイムで会社に命かけますという男性が主体な会社ではないので、時短勤務は多々ある多様性の一部でしかありません。時短だから、ママだからといって阻害感を感じなくてもよい雰囲気があるのは、個人的には非常に魅力だと思っています。

 転職組もどちらかというと、仕事はもちろん重視したいが、ワークバランスや働き方を考えて大企業から出てきました!という人も多いので、育児やプライベート、休息することに対して理解がある人が多いと思います。

 余談ですが、インターンがいると、バイトがあるので16時に帰宅したり、追試のため急に休んだり、というのが多いです。そのため、ママも「子供が熱が」というのは非常に言いやすい雰囲気です。

 

④スピード感をもって、ある程度裁量権を持って仕事を進められる。

 仕事自体は、恐ろしくスピード早くフットワークも軽いです。こんな事したい!と思った事がすぐ形になるので、非常にやりがいがあります。①で書いたように、コミュニケーションコストが少ないので、社内調整等、意味のない仕事は少ないように感じます。また、スタートアップ自体が、社会的課題の解決をテーマにしているので、自分達で社会をよくしていくんだ、という一種の使命感を持って働くこともできます。

 個人に与えられる裁量権も大きいので、自分で色々と考えながら仕事を進める事を楽しめるタイプや一般企業での承認プロセスの煩わしさにストレスを感じていたタイプには非常によい環境だと思います。評価システムも明確にあるわけではないので、会社のためになると思った事をやっていくことで、自然と評価されていく、というイメージでしょうか。無駄に半期毎にA評価をとらないと昇格しない(育休とったら振り出しもどる)、10年たったら課長職の試験で同期はどんどん上がっていく、という無駄なストレスはありません。

 そのため、時短勤務や残業なしで諦めていたマネージャー職への挑戦や、業務レベルの低下といった問題は、自分の気持ち次第ですが、望めばかなう環境はあると思います。

 

スタートアップで働くリスク

 いいことばかりではなく、スタートアップはリスクが多いと思います。ただ、個人的にスタートアップで働くリスクはある程度、対策と回避ができるのかなと感じています。例えば、倒産リスクは高いですが、その分スタートアップでのキャリアを生かし、転職すればよいので、リスクでありながらもリスクではないのではないでしょうか。そういう視点でリスクを見ていただければと思います。

 

①給料や待遇、福利厚生はダウンする

 当たり前ですが、多くのスタートアップは投資で運用をしており、まだ満足な利益を出している状態ではありません。そのためボーナスがなかったり、福利厚生がなかったり、です。そのため、人によっては月給ダウンは多いにあると思うので覚悟は必要です。また、大手企業であるような、退職金等の制度は一切ありません。本当に基本的な、厚生年金や交通費支給等当たり前の制度が整備されており、+アルファは会社がどのくらい利益が出ているのか、成長しているのかで大きく変わってきます。

 ただ、成長が早いので、人によっては一気に昇級して、数十万単位で上がるということもありますし、ストックオプションの制度がある会社もあるので、リサーチし、覚悟をしておけば問題はないかな、と思います。どうしても、納得できない点は直接交渉すれば、制度が新たにできる、という事も多いにあります。

 

②カルチャーマッチング

 大企業と違い、非常に人数が少ない分、人との相性、組織の相性が重要になってきます。特に30名以下の組織であれば、なおさらです。事前にできるだけ多くの社員と合い、経営者とも会話をする等して、極力ズレをなくす必要があります。意外とここは大企業よりもシビアかもしれません。

 また、年齢がある程度高い方が転職する場合は年齢層にも注意が必要です。上司が20代で、一回り以上下になるケースもザラにあります。入社するボジションで元々役職がついて転職する場合、役職がつかない場合、人によって違うと思いますが、プライド的に年下の上司が、許せない方はやめておいた方が無難です。年齢帯は20代中心、30代中心、40代中心、バランスよく、など特徴があるので、気になる方は社員の年齢構成と配属されるのであれば、その上司の年齢を確認しておきましょう。

 

スタートアップが気になるなら、まずは面談をしてみよう

 スタートアップは、複数社と面談をしてみると、なんとなくスタートアップ業界が、わかってきました。スタートアップ専門の転職エージェントもいるので話を聞いてみるのもよいと思います。ただ、制度が整っているから、今の会社が慣れているから、そんな風に思いながらも、スタートアップと面談だけでもしてみると世界が広がり、結果転職しなかったとしても納得の上、働く事ができるのではないか、と感じています。非常に刺激になります。

 私自身は、色々と悩み、リスクはある程度受け止めながらも、今、楽しく働いていて「転職してよかったな」と感じています。なので、大きな組織の中で悶々としながら、転職を考えているママが、選択肢の一つとしてスタートアップを入れる方が少しでも増えればいいなーと思っています。(優秀な人材を常に求めています!)